2025.12.08 城山のスタートレックを登りました。
スタートレックは伊豆の城山 東壁にある、6ピッチ最高グレード5.8のクライミングルートです。未発表の新ルートで、まだ岩が脆い箇所や砂だらけのピッチもありますが、しっかり整備されていてボルト位置も的確で、スラブから垂壁、トラバースなど変化に富んだスリリングなクライミングを楽しめました。スタートレックは今週のロクスノで発表されるそうです。

アプローチ
城山登山口から15分ほど登って南壁に着いたら、壁に沿って東側に踏み跡を10分ほどトラバースします。途中フィックスロープが張られた崖を通ります。取り付きは狭いので、手前の南壁かラズベリーフェイスでハーネス装着等の準備をするといいです。
フィックスロープにぶら下がった「MAD MAXは右上へ30m行くべし」の札のところがスタートレック1ピッチ目の取り付きです。

1ピッチ目
1ピッチ目は25mグレード5.7程のスラブ。苔や砂は綺麗に取り除かれていて、ボルト位置もちょうどよく快適。南壁のスラブに比べて、浅いホールドに手も足もスメアリングを効かせて登る感じで、ラズベリーフェイスのスラブに似ています。
なお、ここに記載のグレードやルート長は自分の体感で、発表時とは異なるかもしれません。

1ピッチ目の最後は右に2m程トラバースして乗っ越すと左寄りにボルトの終了点。トラバースせずに直登したら5.9くらいの感じでした。

2ピッチ目
2ピッチ目は少し易しいスラブ20m 5.6。2ピッチ目と3ピッチ目はまっすぐ繋がってるので継続登攀できそうです。終了点はボルトあり。

3ピッチ目
3ピッチ目もスラブ20m 5.7程。終了点はボルトあり。

4ピッチ目
4ピッチ目が1つ目の核心で25m 5.8、左上した逆層スラブから垂壁のフェイスです。
自分はここのリードが一番面白かったです。左上したスラブは逆層になっていて油断すると左下に引き込まれます。トラバース気味なのでダブルロープで2人のフォロワーを引いてるときは2つのヌンチャクでロープを2本ともかけていきます。
そして上部が垂壁のフェイス。手がかりがあまりなく乗っ越すのがちょっと難しいです。終了点は木で構築。

5ピッチ目
5ピッチ目まで5mほど歩き。フィックスロープが張られています。5ピッチ目の取り付きはボルトがないので木でセルフビレイします。

5ピッチ目はスラブ25m 5.7。傾斜が緩くて一見簡単そうですが、ホールドが砂だらけで手も足も滑ってめちゃくちゃ怖いです。まるで砂漠の岩を登ってる気分。右寄りに登ってから左にトラバースしてまた右向きに折り返します。終了点はボルトあり。

6ピッチ目
6ピッチ目が2つ目の核心、小ハングのフェイスからスラブ25m 5.8。出だしのハングと最後の乗っ越しが核心です。最後の乗っ越しは砂だらけで不安定な岩もあるので注意。終了点は木で構築。6ピッチで終了です。

振り返ると狩野川と伊豆の山々が眼下に広がります。日当たりがいいので晴れていると冬でも暖かい。

城山東壁スタートレックは、スラブ、トラバース、フェイス、砂砂スラブと変化に富んだルートで、とてもスリリングでした。西南カンテと並んで初級者向けの人気ルートになるのではないでしょうか。ロクスノ発表後は多くのクライマーが訪れると思います。落石や怪我に注意して安全に楽しみましょう。
下山
下山は懸垂下降するか、歩きでさらに上に登りクッキングワールドを経由して山頂から登山道を降ります。今回は同ルートを懸垂下降しましたが、落石する可能性もあるので後続パーティーがいる場合は山頂から登山道を降りた方が安全かと思います。東南壁方向から懸垂下降するルートもあるようです。
同ルートを懸垂下降する場合は、途中の終了点に残置スリングや残置カラビナがないので木を使うことになります。50mロープ2本で4回の懸垂下降で降りられます。
装備
ヌンチャク10本、アルパインヌンチャク2本程度。ダブルロープで2人のフォロワーを引く場合はさらにカラビナかヌンチャク3本程追加。
ロープは50mシングルロープ、懸垂下降する場合はダブルロープ。登山道を降りる場合はアプローチシューズ。
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