2025.11.15 伊豆の城山(じょうやま) 西南カンテを登りました。西南カンテは城山の人気クライミングエリア南壁の西側カンテを登る、5-6ピッチのマルチピッチルートです。自分がここを登るのは数年ぶりです。最近は寒い日が続いてましたが、この日は天気が良く日当たりのいい4ピッチ目あたりからはポカポカ陽気で快適に登れました。

西南カンテはよく初心者向けマルチピッチルートと紹介されています。確かにボルトが整備されていてグレードもこの岩場では易しい方なのですが、グレードは辛めで体感5.9くらいのピッチや逆層のピッチもあり、他の岩場のIIIやIVのルートに比べると初心者には中々ハードなルートではないでしょうか。
西南カンテの1ピッチ目は南壁のショートルートエリアです。どこを登ってもいいと思いますがグレード5.7以上のスラブで、人気のエリアのため混雑していることが多く、2ピッチ目までのバンドをロープを繋いで歩くのも面倒なので、自分は1ピッチ目を省略することが多いです。今回も南壁に不要な荷物をデポしてハーネスを装着してから、徒歩で2ピッチ目取り付きまで行きました。
西南カンテ2ピッチ目からスタート。2ピッチ目は本のトポでは5.5ですが体感5.7くらいありそうです。逆層のフェイスで部分的に立っている面もあるので初心者には怖いかもしれません。カンテに出るより左のフェイスを登るのが易しいです。ボルトは一部ありますが古いハーケンやRCCボルトが多いです。テラスの終了点でピッチを切ります。

今回は自分は新人や後続ペアの面倒を見るためフォローに徹しました。たまにはフォローも気が楽でいいですね。
3ピッチ目のオリジナルルートは2ピッチ目終了点から直上ですが荒れてるらしいので、右に10m程トラバースしてスラブに向かいます。途中の岩は下に回り込んで越えるのが安全です。終了点は2箇所あります。

今回はダブルロープにフォローが2人繋がってるので、トラバースするときは写真の様にロープを2本とも別々のヌンチャクでクリップします。
トラバースでのクリップがロープ1本だけだと、クリップされてない方のフォローが登るときランナウトしてしまいます。また同じカラビナに2本まとめてクリップすると落ちた時にロープ同士が擦れて摩擦熱で溶融するので、クリップするカラビナは分ける必要があります。
4ピッチ目はスラブ5.8。スラブの中央付近に終了点があります。ボルトのラインより左や右に登りやすいところを辿ると楽です。体感5.7くらい。南壁のショートルートより易しい感じです。

5ピッチ目はスラブから、オリジナルルートは右に抜けますが、直登してハング下を左に5m程トラバースしてハング越えしていくのが面白くておすすめ。トポでは×マークが付いていますが。ハング越えが核心で体感5.8くらい。ハーケンがあります。終了点は木で。二間バンドのテラスまで5m程歩き。

二間バンドからの眺めが最高です。二間バンドはザレていて下には南壁があり人がいるので、落石させないように注意しましょう。南壁では落石による事故がよく起こっています。

二間バンドで登攀を終える場合は、二間バンドを中間まで降りたところから木を支点にして20m程懸垂下降してから、中央壁左ルートの終了点を辿って50m懸垂下降を3回ほどです。しかしこの懸垂下降が中々ハードなので(次の懸垂支点が上から見えない、懸垂支点でハンギング、残置スリング等がない終了点あり、ロープがスタックしたらハングを登り返しなど)、もう1ピッチ登って上の登山道に抜ける方が安全だと思います。
ということで6ピッチ目。5.7のフェイスですが、被り気味のところのホールドが持ちにくく体感5.9くらいありそうです。中間支点はハーケンあり。終了点は木で構築します。

6ピッチ目を抜ければ樹林帯です。アプローチシューズに履き替えてトレースに沿って登っていくと登山道へ。城山登山口方面に降りて南壁のショートルートエリアまで戻ります。
装備は、懸垂下降するならダブルロープ50m、懸垂下降しないならシングルロープ50mと下山用のアプローチシューズ。ヌンチャク6本?くらい、アルパインヌンチャク2本。カムは不要です。
昼食のあと、南壁のショートルートを何本か登りました。

西南カンテはそこそこのグレードがあり初心者にはちょっと大変かもしれませんが、フリークライミングが得意な人にはマルチピッチのいい練習になるルートだと思います。
最近、この城山にもっと易しい新しいマルチピッチルートができたらしいので、機会があればそちらも登ってみようと思います。
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