2025.9.27 富士山西麓の毛無山 金山沢を遡行しました。金山沢は水が綺麗でぬめりが少なく、程よい難度の滝や巻きが散りばめられていて、アプローチは短く、ヒルはおらず、登山道が並行していていつでも抜けられ、初心者の沢体験や練習に最適な沢でした。

毛無山は付近に3つもあるようですが、富士山西麓 天子山地の毛無山になります。アプローチは、ふもとっぱらキャンプ場の毛無山登山口駐車場(有料500円)に車を停め、地蔵峠コースの登山道を進んで地蔵峠分岐を少し過ぎたあたりから入渓します。

7m滝は右岸から巻けますが、自分は左岸側からリード。一見簡単に見えますが、最後の乗越が難しい。A0しましたが、上から見たら手がかかりそうな所があったので次は普通に登れるかな。グレードはVくらい。


比丘尼の滝3段20mは登れないので大抵はもっと手前から登山道に上がるようですが、今回は比丘尼の滝の取り付きまで進み、その右俣の岩を登りました。
手前の小滝は左岸の岩から登ると降りるのが大変なので、釜に腰まで入って取り付きました。小滝のグレードはIII程度。

比丘尼の滝が本流ですが登れないので、右俣に向かって岩を登ります。草付きは岩に乗ってるだけなので不安定。自分は途中にカムで2箇所プロテクションが取れました。グレードIV程度。岩が脆いです。この先の巻きから沢の本流に出るのは初心者にとっていいルーファイの練習になりそうです。沢に戻るときは懸垂下降しなくても戻れますが、今回は練習のためあえて懸垂下降しました。

10m滝はリードできそうですがプロテクションがカムだけだと落ち口付近にしか取れなさそうで、この日はちょっとヌメってたので、左岸から巻いて上からロープを出して登りたい人だけ登ってもらいました。グレードはIV程度。他のメンバーは左岸から巻きましたが、巻きも初心者はロープが必要でした。

沢でのフォロービレイは、クライマーが見えるように滝の落ち口付近で終了点を構築して、エイト環またはムンターヒッチでビレイするのが基本です。ATCでビレイすると、もしクライマーが水流に落ちたまま宙吊りになるとロックされてビレイをすぐに解除できず溺れる危険性があります。
下の写真では、右側の遠くの木を支点にロープを落ち口まで伸ばしてセルフビレイして、フリクションノットで終了点を作り、エイト環で左側の滝のクライマーをビレイしています。

次の12m滝は登れないので巻きます。滝のすぐ下に、右上するトラバースがあるのでそこから登りました。ザレていて岩が脆く、トラバースなので初心者のためにプロテクションが多めに必要になります。フィックスロープを張ってフリクションノットやアッセンダー(マイクロトラクション、タイブロック)で確保して登りました。

すだれ滝8mは見た目より傾斜が緩く簡単に登れます。今回は初心者にロープを出したり初級者のリード練習をしました。

この先にも15m滝があるようですが、今回は初心者を連れて多くのメンバーでロープワークの練習をしながらゆっくり遡行したので、登山道に抜けて下山しました。
金山沢はぬめりが少なくツルツルの岩を登るのも多いのでラバーソールが向いています。カムはキャメロット#0.4-#2。ルートグレード1級程度、登攀グレードIII〜Vですが全部の滝を巻けます。行動時間は抜ける箇所によって半日〜毛無山まで登頂すれば丸1日楽しめます。
金山沢の水はとても綺麗で冷たいです。源頭は湧水だそうで、夏に来るのも良さそうですね。
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