2025.9.6 八ヶ岳の阿弥陀岳北西稜を登りました。阿弥陀岳北西稜は八ヶ岳のバリエーションの中でも難易度が高いと言われています。本来は冬期に登られる北西稜を下見のため夏に登ってみたのですが、かなり岩が脆く危険で、無雪期はおすすめできないと感じました。

アプローチは美濃戸から南沢を行者小屋近くまで登り、北西稜の尾根に入りますが、登山道からはっきりした分岐は無く不明瞭です。トレースがいくつもあり、歩きやすいところを探しながら尾根に向かって登っていく感じです。

尾根に乗ったら、尾根沿いにひたすら登っていきます。傾斜が緩くなると上部岸壁が見えてきました。

ハーネスを履いてリッジを登ります。上部岩壁1ピッチ目の取り付きまで確保なしで登りましたが、冬はコンテが良さそうです。

1ピッチ目の取り付きはテラスになっていてボルトがありました。そこから右に10m程トラバースしてルンゼを登りますが、今回はトラバースした先からビレイして1〜2ピッチを繋げて登りました。
1ピッチ目はわずかなボルトと残置ハーケンのみで、灌木やカムが効くような箇所もなくランナウトします。そして岩が脆く、数十cm大の岩が触っただけで剥がれてきたり、足を乗せた岩が崩れたり、かなり怖いです。草つきがあるので冬ならアルパインピトン(イボイノシシ)が効きそうです。

2ピッチ目は残置ハーケンやカムが使える箇所が少しありました。

そして核心の3ピッチ目。傾斜がありスタンスが乏しくてちょっと難しい。ボルトや残置ハーケンがありますが、ここも岩が脆く、浮石だらけで岩が剥がれてくるので怖いです。
下の写真の中央左にあるボルトが本来の3ピッチ目の取り付き。今回は先行パーティがいた都合で少し下でピッチを切っています。

冷や汗タラタラでなんとか登り切りました。核心の3ピッチ目がフォローだったのでずっとアプローチシューズで登りましたが、3ピッチ目をリードするならクライミングシューズに履き替えた方が良さそうです。

3ピッチを越えた後は易しい岩場が続きます。念の為ロープを出しましたが夏なら登山道まで確保なしで行けそうです。

登山道に出て阿弥陀岳山頂へ。この日は涼しく良い天気で快適でした。

今回の装備は、シングルロープ50m、カム キャメロット#0.4-#3、アルパインヌンチャク、アプローチシューズ、クライミングシューズ等。
八ヶ岳の岩場全体にも言えることですが、無雪期の北西稜は岩が脆くてリスキーですね。やはり冬に登るのが良さそうです。
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