アイスアックス(ペツル ノミック)を使い込んでピックが少し短くなったためか、引っ掛けがちょっと不安定になってきた気がする。先端と2番目の歯の間隔が狭くなって、2番目の歯が氷に当たると先端が浮いてしまい効きが甘くなるのでは?と思い、2番目の歯を落として、先端も元の新品の形に近い状態に整えました。

アイスアックスが刺さりやすい様にピック先端を薄く鋭く研ぐのを見かけますが、自分はアルパインやミックスもやるのでアイスアックスは刺さりやすさ・抜けやすさ・強度のバランスが欲しいため、ピックはできるだけ元の製品の状態を維持したい派です。
ピックの研ぎは最小限にして初期状態をできるだけ温存してきましたが、何年か使い込むうちに引っ掛かりが不安定になってきた気がします。新品のピックを買って比べてみた所、先端が4mmほど短くなっていました。たったの4mmですが、先端と2番目の歯の間隔はだいぶ狭く見えます。


アイスアックスを氷に引っ掛けたり、打ち込んでボトミングしたときに、2番目の歯が氷に当たり、そこを支点に先端が浮いてしまうのではと思い、2番目の歯を落として整えることにしました。
ピック先端も少し丸くなり角度が甘くなってるので、ついでに研いで整えます。
研ぎに使うのは山屋界隈で定番らしい平ヤスリ、ニコルソンのマジカットです。ちょっと高いですが、鉄もステンレスもゴリゴリ削れて、アイゼンやアックスはみんなこのマジカットで研いでます。長さは200mmくらいが扱いやすいと思います。柄は別売りです。
アイスアックスのピックの2番目の歯を落とす
アイスアックスを万力で固定してから、平ヤスリで2番目の歯をゴリゴリ削って落とします。

万力を使わずに手でアックスを持って研ぐと、力が入らず研ぐのに時間がかかりますし、不安定なので角度が変わって綺麗に研げないことがあります。万力は高いものではないですし、あった方が便利なのでなければ買いましょう。
2番目の歯をある程度落としたら、平丸ヤスリに替えて整えます。先端下側の角度が甘くなってるので、元の製品の状態と同じくらいの角度になる様に削ります。平ヤスリだと3番目の歯や先端の歯に当たって削りにくいので平丸ヤスリがいいです。

この研ぎ方は門田ギハード氏がYoutubeで紹介していました。ギハ研ぎっていうらしいです。
アイスアックスのピック先端を研ぐ
ついでにアイスアックスのピック先端も研いで整えました。角度が元の製品の状態に近くなる様に、まずは平ヤスリを先端にまっすぐ当てて平らに削ります。

次に左右の側面を研いで先端を整えます。このとき研ぎすぎてナイフの様に鋭くし過ぎると使った時にすぐ欠けたり削れてしまうので、平らな面をごく僅かに(0.1mmくらい?)残します。

研ぐ前と研いだ後
研ぐ前と研いだ後を比べてみます。

一番上の新品に比べて、2番目の使い込んだピックは4mmほど短くて先端と2番目の歯の間隔も狭いですね。そして3番目の整えたピックは、新品より短いのは変わりませんが、先端の形状や2番目の歯との間隔は新品と近い形状になりました。

早く次のアイスクライミングで効果を試したいです。また数年使ってピックが短くなったら次は新品のピックに交換ですね。
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