【クライミング】ギアスリングの選び方

クラック、アイスやミックス、アルパインクライミングなどで、カムやスクリューなどプロテクションやギアをたくさん持つようになると、腰のシットハーネスに全てを掛けるのがきつくなってきます。そこでギアスリングを使ってみたら、大量のギアの携行がすごく楽になりました。

メトリウス マルチループダブルDギアスリング

ギアスリングとは

ギアスリングは肩に掛けてたくさんのギアをラッキングする専用のスリングです。たくさんの種類があり、形状は「たすき掛け/ショルダーハーネス・タイプ/チェストハーネス・タイプ」、ギアループが「一つ/複数」、たすき掛けは「左肩掛け/右肩掛け」「スリングがシングル/ダブル」と様々で、どれがいいか迷ってしまいますね。
ここでは、クラッククライミング、マルチピッチ、アイスクライミング、ミックスクライミング、アルパインクライミングのいずれでも使いやすい、おすすめのギアスリングを紹介します。

おすすめのギアスリング

形状は、クラック、マルチピッチ、アルパインをやるなら、「たすき掛けタイプ」がおすすめです。
たすき掛けのギアスリングは軽量で、防寒着やレインウェアの調整時にすぐに着脱でき、ザックを背負ってもショルダーベルトが干渉しません。
コーナークラックやワイドクラックの登攀中にカムが邪魔になったとき、ギアスリングを反転してカムの左右を素早く入れ替えることもできます。

「ショルダー/チェストハーネス・タイプ」は、たくさんのギアをラッキングできますが、重量があり、ザックのショルダーベルトが干渉したり、上着の調整時に着脱が面倒だったりします。クラック登攀中にカムの左右を素早く入れ替えることもできません。

ギアループは1つだけなら単なるソウンスリングで代用できるので、せっかくならたくさんラッキングできる「ギアループが複数」のタイプがいいでしょう。
たすき掛けはスリングがシングルとダブルがありますが、「ダブル」なら両脇にギアを分散して、多くのギアをラッキングできます。
「左肩掛け/右肩掛け」は、好みでいいと思います。ひっくり返せるのでどっちでもいいですが、向きによってギアループが多く前にくるかどうかが違います。自分は右に多くラッキングしたいので「左肩掛け」。

メトリウス マルチループダブルDギアスリング

これらの条件から自分が選んだ製品は「メトリウス マルチループダブルDギアスリング」。

左肩掛けのたすき掛けタイプ、ギアループが複数、ダブル・スリングです。ベルトの長さは調整可能なので体が大きい人にも小さい人にも対応。スリングを1本外せばシングルにもなります。

この製品の注意点として、購入時のまま使うとベルトが折り返されてないので、ギアの重みで緩んできてしまいます。最悪外れるかもしれません。使う前に下の写真のようにショルダーのベルトを折り返しましょう。

メトリウス ギアスリングのショルダーベルトを折り返す
メトリウス ギアスリングのショルダーベルトを折り返す

スリングの末端は折り返すのがきつかったので下の写真のようにオーバーハンドノットで結びました。

メトリウス ギアスリングの末端処理
メトリウス ギアスリングの末端処理

ラッキングの仕方

クラッククライミングでは、ギアスリングにカム、スリング、カラビナなどを掛け、腰のハーネスにヌンチャクを掛けるといいです。コーナークラックワイドクラックでは、カムをギアスリングの片側に寄せれば、ギアスリングをひっくり返して左右を素早く入れ替えられます。

アイスクライミングでは、スクリューは顔の近くにあると危ないので腰のキャリツールに掛け、ギアスリングにヌンチャク、スリング、カラビナなどをかけています。

ゲレンデのフリークライミングでも、ギアスリングにトップロープ構築や予備のギアをかけておけば、使わないとき素早く外して身軽になれます。ギアを一つずつハーネスにつける手間がいらないので準備や片付けが素早くできますね。