2025.7.20 瑞牆山のマルチピッチルート「トムソーヤの冒険」を登りました。洞窟ありクラックありでまさに「冒険」。この日は涼しくて、楽しく快適にクライミングできました。

トムソーヤの冒険は瑞牆山山頂近くの岩を7ピッチ程で登るマルチピッチルート。洞窟あり、チムニーあり、ハンドクラックありで、グレードは易しめですが、ボルトはなく全てナチュラルプロテクションで登るアルパインクライミングルートです。
アプローチは通常は瑞牆山荘からの表登山道のようですが、今回はパノラマコースから登ってみました。みずがき山自然公園近くのチップの駐車場に車を停めて登ります。入り口の看板はありません。

パノラマコースは一般登山道ではありませんが、トレースもリボンもあり途中までは分かりやすい。

しかし沢の途中からリボンがなかったりトレースが不明瞭だったり違うトレースがあったりで、思ってたよりルーファイが大変で時間がかかってしまいました。


大ヤスリ岩の下を通って表登山道に合流です。

表登山道を少し降りて、登山道が迂回してるところから脇に入って行くとトムソーヤの冒険の取り付きです。木に白いテープが目印。
1ピッチ目は木登りからのハンドクラック。体感グレードIVくらいに感じました。木を使わないともっと難しそうです。

1ピッチ目の終了点は木で確保できます。すぐ横に2ピッチ目の洞窟入り口が。

中に入ってみるとまさに洞窟。壁は一部濡れてました。出だし核心でどう登るか悩みどころ。ビレイは洞窟内でできます。ヘッドランプはつけた方がホールドがよく見えますね。

カムは一応キャメロット#6まで使いましたが、#5までで大丈夫そうでした。
記録ではよくバックアンドフットで登るとありますが、バックアンドフットにこだわりすぎると逆に大変で、ステミングやレッグバーなども駆使して、部分的にバックアンドフットを使うと登りやすかったです。グレードはトポではIV+ですがもっと難しく体感5.7くらいに感じました。

2ピッチ目はチムニーを抜けたテラスで一旦切り、カム#0.4-#0.75で終了点を構築。

シングルロープ50m 1本で登ったので、ザックの荷上げはフォローが登る前に、ロープアップしたリード側のロープ末端を降ろして引き揚げました。

3ピッチ目は、狭く曲がった洞窟をザックを押し上げながら登ります。押しすぎると出口からザックが落ちてしまうのでセルフビレイコードで繋いで。

4ピッチ目は階段状から。やっと狭い洞窟から抜けられると思ったらまた洞窟。すごく狭い穴があってとても抜けられそうにないと思ったら、反対側の広い穴から抜けられました。広い穴の岩の隙間にロープがスタックするのでディレクションのカムをセット。

5ピッチ目は歩き50m。金峰山がよく見える。

6ピッチ目は第二核心のだるまフェイス。みごとなハンドクラック。長くて高度感があります。カムは1セットでは足りず、キャメロット#1と#2は2セット使いました。


だるまフェイスの終了点はピナクルで。残置スリングに自分のスリングを追加。

7ピッチ目は、だるまフェイス終了点から5mほど懸垂下降してまた少し登ります。
懸垂下降した所に二人とも降りて次のビレイをしてもらいましたがすごく狭くてやりにくかったです。だるまフェイス終了点でそのまま次のビレイを行い、フォロー側のロープ末端を15mほど出して懸垂下降に使った方がスマートでしたね。

8ピッチ目は山頂までIII程度の岩が長く続くのでコンテ(コンティニュアスビレイ)で。ルートはよく分からないのでルーファイして登れそうなところを適当に登っていきます。一部傾斜の強い岩はフォローが落ちてもいいようにマイクロトラクションで中間支点を取りました。

コンテで1時間ほどで瑞牆山頂上に到着。

少し休憩して、登山道からパノラマコースに入って下山しました。


トムソーヤの冒険は洞窟チムニーからハンドクラックまでルートが多彩で、カムでの終了点構築、荷揚げ、コンテなど様々なロープワークの練習にもなって、とても充実したクライミングでした。
アプローチのパノラマルートが思ったより大変で、面白かったですがちょっと欲張りすぎた感じでした。普通に表登山道から登った方が良さそうですね。
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