小同心クラック 無雪期

2023.8.27 に八ヶ岳の小同心クラックに登ってきました。
登坂グレードは易しいですが、岩が脆く、アプローチや下降を含めたルーファイ、ロープの流れに配慮したリードやピナクルでの支点取りなど、アルパインの良い練習になりました。


大同心稜からアプローチ。左が大同心、右が小同心。

登攀に比べてアプローチが長く、美濃戸口から歩くと、北沢→赤岳鉱泉→大同心稜基部まで結構かかりますが、なんとか日帰りできる距離です。美濃戸まで車で上がれれば少し楽ですが、美濃戸林道は荒れていて最低地上高の高い車でないと底をするかもしれません。

夏なのにかなり涼しくて美濃戸で気温16℃くらい。ほぼ1日薄手のフリースを羽織ってました。赤岳鉱泉でのんびり過ごすのも快適そうです。天気は良く午後に一時的にガスった程度でした。


大同心基部からトラバースして小同心取付きへ。


トリカブト。

パーティーは前に1パーティのみで順番待ち無しで登れました。早朝は10人居たそうです。
小同心クラックはピッチを短く切ると4ピッチですが、1P目を長めに取り2-3Pを継続して3ピッチで登攀しました。

パートナーもリードに少し慣れてきたのでつるべで登ります。易しい奇数Pがパートナー、少し難しい偶数Pが私。
易しい岩なので私はアプローチシューズ(ラ スポルティバ TX ガイド レザー)で登りました。このアプローチシューズは岩も沢も登山道も登れるお気に入りの万能シューズです。


1P目はフェイスからチムニーをスカイラインに見えるピナクルの上まで40m。


2P目はチムニーをハングを超えた先のテラスまで40m。
2P目を上から撮影。ガスってきた。

3Pは左のラインを登りたかったのですがどこか分からず簡単な右のルンゼへ。

ロープは50mダブルロープ。小同心クラックはシングルロープでも十分ですが、万が一の撤退や大同心からの懸垂下降を考えるとダブルロープが安心です。

小同心クラックはガバだらけでグレードは易しいですが、岩は土の中に石が詰まってる感じで脆いため確かめながら慎重に登ります。

終了点はハンガーボルトあり。中間は残置ハーケンやボルトが部分的にありますが、基本的にはピナクル にスリングで支点を取れます。カム等は不要。中間支点のスリングとカラビナは2ピッチ目で12本と10個ほど使用したので、スリングは多めに持っていくといいです。

ロープの流れが悪くなりやすいルートですが、支点のスリングを長めに伸ばしたり、チムニーの外側にロープを這わせる等して流れを意識したので、ロープの流れはスムーズでした。


小同心の頭から横岳直下までは歩きですがロープを外すのも面倒なのでコンテで。
横岳直下から小同心の頭を振り返り。


横岳直下の手前右にトラバースの踏み跡があったので辿ってルンゼから登りましたが、トラバースせずにもう少し稜線を登れば直下の壁に取り付けるのでルンゼを登る必要はないです。1Pで横岳頂上。


下降は大同心脇から。懸垂下降支点あり。懸垂下降2回で大同心基部のトラバースへ乗り、大同心稜を下降しました。