ブラックダイヤモンド ブリッツ28 を使い込んでみたレビュー 〜 超軽量アルパイン バックパック・アタックザック

アルパインクライミングやアイスクライミング、冬期登山に超軽量なアタックザックが欲しいなー、冬山やクライミングのアタックに必要なロープやカムやスクリューなどのギア、ダブルアックス、行動食や水や防寒着、緊急時のビバーク装備までしっかり背負えて500g以下で。そこで調べてみるといくつかある、しかしどれも2万円超えで高価。

そんな中、定価1万円代で買えるお手頃価格の超軽量アルパイン向けのバックパック「BlackDiamond ブリッツ 28」を見つけ、これしかない!と思い、購入してしばらく使ってみました。なお、写真のブリッツ28は何度かクライミングや沢登りに使って洗ってなかったので薄汚れてますがご容赦を。

ブリッツ28 ヒップベルトを後ろに回してロープを固定したところ
ブリッツ28 ヒップベルトを後ろに回してロープを固定したところ

まずは BlackDiamond ブリッツ 28 のスペック。

  • 容量28L
  • 重量420g
  • 生地は軽量かつ耐久性のあるUHWMPE(ダイニーマと同じ)
  • メタルフック付きアイスツールピックポケット
  • 片手で操作できるトップクロージャー
  • 止水ジッパーポケット
  • ヒップベルト、フォームパッドなどを取り外し可能
  • 赤いロープストラップ
  • ハイドレーション対応
  • 内部ジッパーポケット
  • 価格 税込¥14,410 (投稿時)

アルパインクライミングや冬期登山などのアタックザックの要件を満たしていますね。しかも超軽量で耐久性が高く価格が安い。しかし買う前に心配だったのは、背負い心地と、雨蓋が小さいこと、サイドにベルト類が何もないことでした。

ブラックダイヤモンド ブリッツ28のフロント
ブラックダイヤモンド ブリッツ28のフロント

ブリッツ28のフロントは、アイスアックスを2本装着できるホルダーが付いてます。生地はダイニーマと同じものでかなり丈夫ですべすべしていていい感じ。冬期でも雪がつかず、カムやハンマーなどのギアをそのまま放り込んだり岩に擦ったり割とハードに使いましたが全然大丈夫でした。

ブラックダイヤモンド ブリッツ28の背面
ブラックダイヤモンド ブリッツ28の背面

背面パッド(フォームパッド)やショルダーベルトは薄い割に硬めでしっかりしていて、重い荷物を背負って1日歩いても快適でした。

大きなザックに丸めて入れようとフォームパッドを抜いてみたら背負い心地が悪くなったので、フォームパッドはちゃんと仕事していて、装着したままが良さそうです。大きなザックに入れるときは、ブリッツ28の中にアタック用の装備をパッキングしてから、そのまま大きなザックに入れるとかさ張りません。

ヒップベルトはおまけ程度な感じで、ハーネスつけてるときは使わないのでしばらく外して使ってました。もし日帰りでブリッツ28だけで登るときアプローチで少しでも肩を楽にしたいならヒップベルトを装着してもいいと思います。

ブリッツ28のサイドにベルト類はない
ブリッツ28のサイドにベルト類はない

ブリッツ28のサイドにベルトやポケットは一切ありません。クライミングや冬期はサイドに何もない方がいいのですが、ロープを固定したりストックやマット類をサイドに付けたいときは別の方法で工夫する必要があります。

ブリッツ28の雨蓋は小さくて変わった構造、隙間があるが少々の雨やシャワークライミングでは問題ない
ブリッツ28の雨蓋は小さくて変わった構造、隙間があるが少々の雨やシャワークライミングでは問題ない

ブリッツの雨蓋はミニマムで変わった構造をしていて、最初は戸惑いましたが、数回使ったらすぐに慣れました。隙間がありますが、少々の雨や沢登りのシャワークライミングでも水はほとんど入らず問題ありませんでした。

ブリッツ28の雨蓋はミニマムだがペットボトル500mlとスマホや小物は入る
ブリッツ28の雨蓋はミニマムだがペットボトル500mlとスマホや小物は入る

雨蓋はミニマムですが、500mlペットボトルやスマホなどは入ります。でも普通の雨蓋タイプのバックパックに慣れてると小さく感じます。内部にもポケットがあるのでそれぞれに小物を分けて入れるといいです。

ブリッツ28 ヒップベルトを使わないときは、後ろに回してアックスホルダーに通し回してバックルを止めると綺麗に収まる
ヒップベルトを使わないときは、後ろに回してアックスホルダーに通し回してバックルを止めると綺麗に収まる

ヒップベルトを装着しているとハーネスを付けてるとき邪魔になりますが、このように後ろに回してアックスホルダーに通して止めると綺麗に収まりました。サイドベルトの代わりにもなりそうです。

ブリッツ28 ロープは雨蓋に引っ掛けるようにして赤いベルトで固定する
ロープは雨蓋に引っ掛けるようにして赤いベルトで固定する

ロープは雨蓋のベロのところに引っ掛けるようにして赤いベルトで止めると、ズレ落ちることなくしっかり固定できます。でもサイドに垂れたロープがちょっと邪魔ですね。ロープをさらに半分に畳むか、

ブリッツ28 サイドベルトの代わりにヒップベルトを後ろに回してロープを固定、バックルをアックスホルダーに通して回して繋ぐ
サイドベルトの代わりにヒップベルトを後ろに回してロープを固定、バックルをアックスホルダーに通して回して繋ぐ

このようにヒップベルトを後ろに回してロープを固定するといい感じです。ただしヒップベルトがロープの末端近くなので、単純にベルトをロープの上から掛けるとロープがすぐ外れてしまいます。写真のようにロープの輪の中を通すように固定すると良さそうです。

ブリッツ28 サイドにベルトがないのでバンジーコードをつける改造をしてみた
サイドにベルトがないのでバンジーコードをつける改造をしてみた

試しにサイドにバンジーコードを付けてみましたが、ロープの重みでコードが伸びて保持力がなくロープがしっかり固定されませんでした。伸びない紐ならいいのかな。でも木や岩に引っ掛かるとやっかいだし、いい方法ないかな。

ブリッツ28にアックス2本装着
ブリッツ28にアックス2本装着

ブリッツ28にアイスアックスを2本装着したところ。しっかり固定されます。

ブリッツ28の内側に青いボケット(ジッパー、キーホルダー付き)があり、エマージェンシーキットや貴重品が入る
ブリッツ28の内側に青いボケット(ジッパー、キーホルダー付き)があり、エマージェンシーキットや貴重品が入る

ブリッツ28の内側には青いポケットがあり、キーホルダーとジッパーが付いてるので貴重品やエマージェンシーキットなど入れると良さそうです。

ブリッツ28の内側ポケット下のベルクロを剥がすと背面パッドがあり、ハイドレーションが入る
ブリッツ28の内側ポケット下のベルクロを剥がすと背面パッドがあり、ハイドレーションが入る

ハイドレーションは内側の青いポケット下のベルクロを剥がして入れます。出し入れは結構面倒なので頻繁に水を補給するときは別のボトルを用意した方がいいです。

こうしてアルパインクライミング、冬期クライミング、アイスクライミング、沢登りなど色々使ってみました。最初は変わった雨蓋構造に戸惑いましたが、何度か使っているうちに、どこに行ってもブリッツ28は快適で使い勝手が良く、最高のアタックザックだなと感じました。超軽量のアタックザックを探している方にはぜひおすすめします。

ちなみにブラックダイヤモンド ブリッツは20Lと28Lがあります。荷物が少ないなら20Lでもいいですが、重量は大差ないので、クライミングや冬期など多くの装備を持ったり、沢登りでロープをザック内にしまいたいなら28Lをおすすめします。