八ヶ岳 ジョウゴ沢・小同心クラック 冬期クライミング

2024.2.11-12 八ヶ岳のジョウゴ沢アイスクライミングと、小同心クラックの冬期クライミングに行ってきました。雪が多くてアプローチが確信でした。


ジョウゴ沢F2

1日目はジョウゴ沢でアイスクライミング。積雪30cm、晴れ、風無し、トレースあり。F1とF2は赤岳鉱泉から割と近い。

今日は難しい滝は登るつもりがないので装備は軽く、縦爪1本のアイスアイゼン(ペツル リンクス)、アイスアックスはペツル クォーク、アイススクリュー少なめ。ロープはハーフロープ1本。本当はシングルロープがいいけど明日はダブルロープ を使いたいし簡単な滝だけ登るので。

ジョウゴ沢F1
ジョウゴ沢F1

F1は歩いて登れるが、立っている部分が5mほどあるのでフリーで登ってもいいし、ロープを張って初心者の練習もできそう。

ジョウゴ沢F2
ジョウゴ沢F2
ジョウゴ沢F2
ジョウゴ沢F2

F2でパートナーのリード練習。F2は凸凹していて氷が薄いところと厚いところや岩が出ているところ、穴が空いてて水流が見えてるところがあってスクリューを打つところを選ぶし、水流にギアを落としたら回収できなくなるので初心者だとちょっと緊張するかも。

ジョウゴ沢F3までしばらく沢を歩く
ジョウゴ沢F3までしばらく沢を歩く

F2の後はF3まで距離があり、広い沢歩きが続く。

ジョウゴ沢F3
ジョウゴ沢F3
ジョウゴ沢F4
ジョウゴ沢F4

F3以降の滝は近いところにまとまっていて、F3、F4はフリーで簡単に登れ、すぐ近くに乙女の滝が見える。

ジョウゴ沢 乙女の滝
ジョウゴ沢 乙女の滝

乙女の滝手前を左上すると二俣、大滝とナイアガラの滝が見えてくるが、雪が深く滝にたどり着くまでラッセルが結構大変だった。

乙女の滝前を左へ
乙女の滝前を左へ
大滝(右)とナイアガラの滝(左)の二俣
ジョウゴ沢 ナイアガラの滝
ジョウゴ沢 ナイアガラの滝


ナイアガラの滝まで来たけど、シャーベット状のバーチカルで足がなかなか決まらず、時間もなくなったので諦め。


F2を懸垂下降。木や残置スリングがあり、50mロープ1本で足りた。

ちなみに背負ってるザックはブラックダイヤモンドのブリッツ28。超軽量で420gなのに28L入ってアックス2本とロープも背負える、アルパイン向けバックパックです。自分は冬期はもちろん、無雪期のマルチピッチや沢も日帰りならどこでもブリッツ28で行くくらいお気に入りです。


赤岳鉱泉はテント泊で夕食だけ予約。ステーキも食べてみたいが、ハンバーグとポトフはすごく美味しくてボリュームがあり大満足。食堂は広くて暖かくて快適だし、赤岳鉱泉はテント泊でも夕食を予約するのがおすすめ。

外の気温は-12℃くらい。今回のテント泊はクローズドセルマット(サーマレスト Zライトソル)とエアマット(サーマレスト プロライト)を組み合わせたマット2枚重ねを試してみたところ、シュラフの背中が全く冷たくならず、すごく暖かく快適に寝られた。厳冬期はマット2枚重ねが最強。万が一エアマットがパンクしても安心だし。

2日目、小同心クラックへ向かう。積雪30cm、小ぶりの雪→曇り→午後から晴れ、時々10mの突風。赤岳鉱泉から大同心稜へ。大同心基部まではトレースあり。大同心が見えてきた。

装備は厳冬期の装備に1本爪縦爪アイスアイゼン(ペツル リンクス)、アックス1本(ペツル クォーク)、50mダブルロープなど。昨日のアイスクライミングと兼用で縦爪アイゼンだったが、サラサラの雪だと縦爪は雪のグリップが弱く、平爪の方が登りやすい。ロープはシングルロープ1本でも十分だが、撤退時のためと、大同心からの懸垂下降で楽をしたかったのでダブルロープ にした。


大同心基部から小同心取り付きまではトレース全くなし。夏道は雪で埋まってるので岩の根元をトラバースしたが、無雪期にも来てなかったら初見だとルーファイが難しいかも。雪はサラサラで不安定だし岩は脆いので結構大変。ロープを出したが、岩が脆くプロテクションは10mに一つ取れるかどうか。支点が取れないので吹き溜まりでピッチを切ったが雪の中に座って腰がらみビレイするのも凍えそうなのでスタンディングアックスビレイを使用。最後は腰ラッセルで吹き溜まりを通過して取付きへ。小同心登攀よりもこのアプローチが一番の核心だと思う。

このエリアは西向きの日陰で、動いてないと結構寒い。厚手のフリース着ててよかった。


小同心クラックを登ってテラスからの赤岳と阿弥陀岳。雪や氷の付着は少なく岩が割と出てたので登りやすかったが、ハング足元の石が半年前より崩れててちょっと難しくなってるような?
プロテクションはピナクル、ボルト、ハーケンが豊富にあり、カム類は不要だった。


横岳直下を登攀して横岳頂上へ。横岳直下はプロテクションがやや取りにくい。登れないときは左にトラバースして尾根に抜けられるが、トラバースは雪が不安定で難しそうだった。

横岳から赤岳、左奥に富士山も見える
横岳から赤岳、左奥に富士山も見える
横岳から硫黄岳
横岳から硫黄岳


大同心の脇のルンゼから下降。懸垂下降2回(50mロープ1本なら3回)。大雪直後は雪崩に注意。


ヤバいもう日が暮れる。アプローチで時間がかかりすぎた。大同心稜から下山。