クラックグローブ、一般的になってきましたね。クラックの岩場で着けているクライマーも増えてきて、有名クライマーが高難度ルートでフリクションの高いラバーのクラックグローブを着けている動画もよく見るようになりました。
自分も Black Diamond のクラックグローブを使うようになり、最近人気で品薄のOCUNクラックグローブPROも手に入ったので、比較してみました。写真は使っているグローブなのでちょっと汚れていますがご容赦を。
クラックを登るとき自分は基本的にテーピングテープなんですが、登り始めの準備に時間がかかるので、すぐに登りたいときやクラックをちょっとだけやるときはクラックグローブが便利です。初めて着けるときはグローブがズレるんじゃないかとかシンハンドに手が入らないのではと心配しましたが、実際使ってみると、どちらのグローブも違和感なく普通にジャミングできて、テーピングで時間を無駄にすることなく快適なクラッククライミングができるようになりました。
親指カバーのあるクラックグローブ
クラックグローブには親指カバーがあるものとないものがあります。自分は親指によく擦り傷ができるためテーピングするとき親指もカバーしているので、クラックグローブも親指のあるものを選びました。親指のあるクラックグローブはゴテゴテした感じになりそうですが、今回比較したグローブはどちらも柔軟性があり親指の動きが妨げられることはありませんでした。
ブラックダイヤモンド クラックグローブの特徴
ブラックダイヤモンドのクラックグローブは、素材が極薄、ラバーのフリクションは低めで、テーピングと使用感があまり変わらないように作られています。
指のループは立体形状、親指や手のサイドを囲むような形状でフィット感が高いです。手首のベルクロテープは折り返し式なのでちょっと嵩張りますが、素材自体が薄いので邪魔にはなりません。
耐久性は長く使ってみないと分かりませんが、素材が薄くオーツンよりは低そうです。しかし価格が比較的安く在庫も豊富なので、壊れても容易に買い換えられそうです。実際何度か使ったところでは見た目より意外と丈夫で、切れたり伸びたりは今のところありません。
日本の正規代理店では扱ってないようですが、並行輸入しているショップで購入できます。記事を書いている時点では在庫も豊富なようです。
オーツン クラックグローブ・プロの特徴
オーツンのクラックグローブプロは、ラバーのフリクションが高く強傾斜のクラックでもしっかり止まりそうです。ラバーはしっかりしていて、指の付け根の関節にクッションが付いているので手の保護はバッチリです。指のループは立体形状で、ブラックダイヤモンドと同様に親指や手のサイドを囲むような形状です。
ラバーの裁断が工夫されているのか、剛性があるのに柔軟性が意外とありフィット感が高いです。厚みが心配でしたが、実際に手に取ってみると最小限の厚さで心配なさそうです。手首のベルクロテープは末端をラバーの下に隠す方式で、折り返さないので嵩張りません。
耐久性は、ラバーやベルクロテープや生地がしっかりしているので丈夫そうです。
問題は入手が難しいことで、人気で品薄なのか、この記事を書いている時点ではどこのお店にも在庫がほとんどない状態が続いています。自分はたまたまタイミングよく格安で新品を入手できました。
似た製品でオーツン クラックグローブ(ライト)という、親指がなく立体形状でもない従来モデルがあり、間違いやすいので、親指つきのグローブが欲しい人は注意しましょう。製品名に「プロ」が付いたものが今回紹介している製品です。
クラックグローブのサイズの選び方
どちらのグローブもXSからXLの5サイズ展開です。指の長さは関係ないので、手の周囲のサイズで決まります。測り方は、指を伸ばした状態で、巻き尺で手の周囲のサイズを測ります。斜めでなく、指の付け根に沿って手のひらの1周の長さです。
サイズ表で手の周囲の長さが一番近いサイズを選びますが、境目あたりのサイズだと悩みますね。指の太さもあまり太かったり細かったりすると合わないかもしれません。試着できればいいのですが、現在はブラックダイヤモンドのクラックグローブは並行輸入、オーツンのクラックグローブプロは品薄で置いてある店が少なくて中々難しいです。知り合いに持っている人がいなければ、ネットでとりあえず購入してみて、合わなかったらメルカリで売るなりして買い直すのも手かなと思います。
自分の手の周囲のサイズは20.5cmでした。成人男性ではやや小さめの手だと思います。指の太さは並かな。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) クラックグローブのサイズ
XS | S | M | L | XL |
18.4~19.7cm | 19.7~21cm | 21.5~23cm | 23~24cm | 24~25.4cm |
ブラックダイヤモンドのクラックグローブはサイズ表を見るとオーツンに比べてちょっと大きめのようで、自分はSサイズを選びました。装着してみるとサイズ感は手のひらや手首はピッタリ、指の太さは初めて装着したときは窮屈に感じましたが、素材が柔らかいためか1回使ったら手に馴染んでピッタリのフィット感になりました。素材はかなり薄くテーピングとほとんど変わらない感覚です。
オーツン(OCUN) クラックグローブ プロのサイズ
XS | S | M | L | XL |
15.5~17.5cm | 17.5~19.5cm | 19.5~21.5cm | 21.5~23.5cm | 23.5~25.5cm |
オーツンのクラックグローブプロのサイズはブラックダイヤモンドに比べてやや小さめで、自分はMサイズを選びました。装着してみるとサイズ感は手のひらも手首も指もちょうどピッタリでした。ラバーが薄いのにしっかりしていて岩も殴れそうですが、形状が工夫されているのかフィット感が良く動きを妨げることもない感じです。
クラックグローブの厚みの比較
両方のクラックグローブを重ねて厚さを比較してみました。
オーツンのクラックグローブプロの厚みはブラックダイヤモンドより2倍から3倍くらいありそうです。それでも1mm程度の違いで、実際にシンクラックで試した感じでは、オーツンは厚みがある分ちょっとだけクラックに入りにくいけどフリクションが高いので止まる、といった感じで、問題はなさそうでした。
ブラックダイヤモンド クラックグローブの使用感
ブラックダイヤモンドのクラックグローブを実際に岩場で試してみました。以下、自分の汚い手の写真が続きますがご容赦ください。
ハンドジャムはテーピングテープと変わらない感覚で決まります。
ラバーのフリクションは控えめでテーピングと同じ感じ。
手のひらの小指側、手首、親指もカバーされてるので、フィンガーやフィストのボトミングも安心。
親指がしっかり保護されるのでサムロックも痛くない。人差し指下のサイドが空いてるのが気になるが、フィスト時の柔軟性を確保するためかな。実際フィストしてみたらここが空いていても問題なかった。
人差し指下のサイドがカバーされてたら握ったときダブついて邪魔になるのかな?
オーツン クラックグローブプロの使用感
次にオーツンのクラックグローブプロを実際に岩場で試してみました。
ラバーのフリクションが高くハンドジャムがバッチリ決まる。ベルクロが折り返されてないので手首もスムーズに入る。
ラバーの中央部が空いているのは柔軟性を確保するためかな。ラバーがしっかりしているのに柔軟性がある感じ。ベルクロテープの末端はラバーの下に入れてスッキリ。
手のひらの小指側、手首、親指もカバーされてるので、フィンガーやフィストのボトミングも安心。
親指のラバーは手のひらと分かれているので動かしやすい。親指の包まれ感もいい。人差し指下のサイドが空いてるのは握った時の柔軟性を確保するためかな。実際フィストしてみたらここが空いていても問題なかった。
どちらのクラックグローブがいいか
どちらのグローブも良い製品なので、サイズが合っていればどちらを選んでも失敗はないと思います。
テーピングと同じ感覚で使いたいならブラックダイヤモンドのクラックグローブ、強傾斜やグレードの高いクラックを登りたいならオーツンのクラックグローブプロでしょうか。
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