2025.7.5 木曽川水系 岩倉川 樽ヶ沢を遡行。そして滝がなくなった辺りから尾根に詰めて枝沢から岩倉川本流を下降。行動時間のほとんどが沢の中で、たくさんの滝とゴルジュ、泳ぎ沢を満喫できました。

南木曽を流れる柿其川(かきぞれがわ)の支流の岩倉川。岩倉川の支流の樽ヶ沢はゴルジュに深いエメラルドグリーンの釜を持つ滝が連なり、泳ぎとシャワークライムの沢登りを楽しめます。今シーズンは梅雨が短く雨が少なかったためか水量が少なくて、登りやすく快適な沢登りができました。
樽ヶ沢 遡行
アプローチは岩倉川林道ゲートから林道を徒歩10分程で樽ヶ沢の橋から入渓。近くていいですね。
装備は50mロープ、プロテクションはカム キャメロット#0.4〜#2、ハーケン、スリングとカラビナ。今回は難しい滝は巻いたのでハーケンは使いませんでした。シューズはラバーソールの沢靴。他のメンバーはフェルトソールでした。

この日は水量が少ないようで登りやすいです。自分たちの他に2パーティ程。人気の沢のようです。

いよいよ2条30m滝。

ちょっとヌメッててラバーソールだと怖そうですが、沢が大好きなメンバーがリードしてくれました。今日はリードできるメンバーが多いので自分は楽してフォローで登っちゃいます。

フィックスロープにしてマイクロトラクションをつけて登ります。マイクロトラクションは高価ですがプルージックコードに比べて両手がフリーになるので楽ですね。
この30m滝はやっぱりちょっとヌメッてて怖かったです。グレードIIIくらいですが油断はできません。プロテクションが取れる箇所は限られますが、キャメロットの#1や#2が使えます。まだ朝で体が温まってないので水が冷たい。
落ち口はボルトが1つありますが、ボルト1つだけで終了点を構築するのは危険なので岩にスリングをかけて補強するのがいいですね。

綺麗なナメ滝や小滝が続きます。

次の2段30mは左岸から巻きました。巻道はトレースがはっきりしていて分かりやすいです。


ヌメッてない岩やナメはラバーソールの方が滑らず登りやすく、ヌメってるところはフェルトソールの方が登りやすいですが、樽ヶ沢はヌメってるところとヌメッてないところがそれぞれあるのでどっちの沢靴でも良さそうな感じです。

潜って登れるチョックストーン滝まで来ました。

岩を潜るって、なぜか楽しいですね。

難しい滝は巻きます。


樽ヶ沢下流部の最後、3m滝とチムニーが見えてきました。ようやく自分にリードの順番が回ってきました。

樽ヶ沢下流部の最後の3m滝の左岸にあるチムニーを登ります。チムニー登りの技を駆使してみましたが、チムニー奥にもクラックが走ってて普通に登れそうです。グレードはIII+くらいかな?カムはキャメロット#0.5〜#2を使用。

他のメンバーをビレイします。

写真は沢登りで自分がよくやる典型的なフォロービレイの方法です。50mロープを使い、離れた木を支点にしてメインロープを折り返して落ち口まで引っ張ってきてセルフビレイ後、フリクションノットでビレイポイントを構築して、エイト環でビレイします。ロープの中間にフォローがエイトノットでつながり、ロープウェイの様にロープを行ったり来たりさせて複数のメンバーをビレイします。
沢でこのビレイ方式を使う理由は色々あります。詳しくは沢登りに詳しい経験者に聞いてみてください。この滝は短いのでロープを戻さずに4人続けて登ってもらいました。
ゴルジュと滝の連続が終わり、開けた緩い沢が続きます。

尾根に詰める
このまま樽ヶ沢を詰めることもできますが、もう滝はあまりないので途中の右俣から尾根に詰めます。1100mあたりで見えてくる緩い右俣を登ります。

詰めの沢が緩くてラッキーと思ってたら、どんどん傾斜が強くなり、足元はザレてかなりキツい。暑さもあって体がオーバーヒートしてきました。

上り詰めると林道に出ました。林道を少し下るとリボンがあり、トレースに沿って東へ尾根を下ると樽ヶ沢とは反対側の岩倉川の枝沢にでます。
枝沢・岩倉川本流下降
枝沢を降りて岩倉川の本流に合流。枝沢はザレてますが、巻きははっきりしていて所々にフィックスロープがあり下やすい。

深い釜にドボンして火照った体を冷やします。生き返った。


美しいナメ。

胴体が緑色に輝く綺麗なトンボがいました。後で調べたらミヤマカワトンボらしい。胴体が緑色のはオスで、メスは胴体が茶色のようです。


沢下降で1箇所ロープを出しました。

この後は沢を少し進み、林道が交差する近くで巻道に上がって橋の上に出ました。林道を歩いてゲートに到着。1日のほとんどを沢の中で過ごしました。とっても充実した沢登りでした。水量が多いと大変そうですが、このくらいの水量だと快適に遡行できますね。暑い夏におすすめしたい沢です。
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