御在所岳の前尾根を登ってきました。御在所岳には岩場やクライミングルートが色々ありますが、前尾根は比較的易しいアルパインチックなルート。P7〜P2までの岩峰が連なる9ピッチ程のマルチピッチで、ハンドクラック、ワイドクラックからスラブまで楽しめる面白いルートでした。
装備は一般的な日帰りクライミング装備と、50mシングルロープ、カムが必要になります。今回は前尾根の一番易しいルートを選択してP2の櫓まで登りましたが、キャメロット#0.3-#4を1セット使用しました。
アプローチ
アプローチは藤内小屋を経由して藤内壁出合を藤内壁方向に左折、沢を登り大きなテスト岩を巻いてから右に登ると前尾根の取り付きです。9月上旬ですがまだ暑く水を多く持った方がよかったです。藤内小屋や藤内壁出合手前に無料の水場があります。
前尾根P7 ノーマルルート V
P7からいきなり難易度高めに見えますが、垂壁の快適なハンドクラックです。上部を右上すれば易しく、左のクラックを直上すれば5.9。今回は上部の終了点に先行パーティーがいたので右上して木に終了点を構築しました。カム使用。
P7の2ピッチ目はフェイスとスラブ。フェイスが苦手な自分にはここが一番難しかったです。写真のように登るより左から登ると楽でした。ボルトがあるのでカム不要。
前尾根P6 リッジルート IV
P5終了点から10mほど歩くとP6。ここはリッジルート、フェイスルート、チムニールート、クラックルートなど複数のルートがあります。一番易しいリッジルートを登りました。
P6のリッジルートはスラブの小さいスタンスを拾っていきます。スタンスは人工的に削って作ったみたい。ボルトがありカム不要。
P6のチムニールートを上から覗いてみました。プロテクションなしで登るのはちょっと怖そうですが、次はこっちのチムニーを登ってみたいです。狭い方に入り込めばキャメロット#5か#6が決まるかなあ。
前尾根P5 ノーマルルート III
P6終了点からはしばらく歩き。P5は簡単で、P4の取り付きまでも少し歩くので、P6終了点からP4取り付きまでずっと歩きで(ロープを外すのが面倒なのでコンテで)時間を短縮しました。
前尾根P4 凹角ルート III
P4は上の写真のように途中の木まで歩いて取り付けば頂点まで50mロープ1ピッチで登れます。傾斜がゆるく所々クラックが出てきます。カム使用。
P4の頂上からはP3やP2が一望できてなかなか良い眺めです。ここから5mほど歩いて下ってから、P3の取り付きまで数十m歩きます。
前尾根P3 III〜IV?
P3は一番長い岩峰で3ピッチあります。100岩場の本にはなぜかP3だけ載ってないのでグレード不明ですが、一番易しいルートを選べばIIIくらい、2ピッチ目でハンドクラックを登ればIVくらいでしょうか。
P3の取り付きは上の写真の下から3/5くらいの中央右の木の辺りまで歩いて登ります。1ピッチ目はその木からスラブを左上、2ピッチ目はリッジの右寄りに沿って登り途中からルンゼか右のハンドクラックに入ります。
3ピッチ目はP3頂点まで登りましたが頂点後ろの下りが急で、ロープの流れが悪くなったりフォローがクライムダウンするのがちょっと怖いです。3ピッチ目は途中から左のP2櫓へ向かうルンゼに入るのが安全です。
カムは2ピッチ目で使用。1ピッチ目と3ピッチ目もハンドサイズのカムがあるとランナウトしなくて済みます。
前尾根P2 櫓 IV
P2のヤグラは登らなくても帰れますが、せっかくなので登りました。一番目立つクラックを直上します。垂壁のクラックでオフウィズスからスクイズチムニーサイズまであるのでクラック好きには楽しいルートですが、ワイドクラックに慣れてないとちょっと大変かもしれません。カムはキャメロット#0.3-#4までほぼ1セット使いました。
核心はハングの岩の乗越らしいですが、割とあっさり越えられました。
P2の懸垂下降は50mロープ1本でちょうど足ります。
下山
P2を降りたら、P3の左岸のルンゼから下って沢を横切り登山道に出ますが、このルンゼが結構悪く、浮石が多く染み出しもあるので注意して降ります。この日は気温が高くて下山で熱中症ぎみになりましたが、途中にある水場でなんとか救われました。
前尾根は登攀グレードが優しめですが意外にワイドクラックが多くありました。カムも決まりやすくルーファイも容易で、見晴らしも良く、安全にバリエーション豊富なクライミングを楽しめました。次に来たら他のルートも登ってみたいです。
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