2023.8.12 奥多摩の海沢(うなさわ)上部を遡行しました。
今回は通常は巻くネジレの滝も登攀、足を延ばして奥ノ大滝と三段の滝も登る、登攀重視の沢登りです。
海沢は下部と上部で様相が違い、下部は泳ぎ、上部は巻きと登攀がメインになります。
海沢上部は遡行グレード2級で、難しい滝を巻いて枠木大滝を越えたところで遡行を終えれば、短時間で巻きの良い練習になります。巻きの途中に懸垂下降を挟む枠木大滝の巻きは芸術的とも言われます。
今回はネジレの滝も直登したいので朝早めにスタート。海沢園地から入渓して三ツ釜の滝を登り、ネジレの滝へ。ネジレの滝はよくキャニオニングの人達がいるので巻くことが多いのですが、今回は朝早くまだ誰も居ないので登りました。
1段目は左壁からトラバース。トラバースは落ちても釜があり、確保して宙吊りになると逆に危ないのでロープは出しません。バランシーですが残置ハーケンにお助けスリングを掛ければ難しくありません。
2段目はロープを出して右壁フェイスから登り、左に少しトラバースしてクラックのあるルンゼを登ります。中間支点は残置ハーケンとカム使用。
大滝と不動滝を巻き、二股を左に進むと芸術的な巻きのある枠木大滝です。
枠木大滝はセオリー通りトラバースの途中にショート懸垂を挟み小さく巻きました。補助ロープは持たなかったので、フォロー側のメインロープ末端を10m出してショート懸垂に使用。ここは懸垂下降しなくてもクライムダウンできそうですがそうするとフォローが怖いです。下降せずにハング状のフレークに手足を掛けてまっすぐトラバースもできそうです。
枠木大滝を越えて、右岸に上がればモノレール沿いに下山できますが、まだ時間があったので奥ノ大滝まで足を延ばしました。枠木大滝から奥ノ大滝までは沢沿いの長い歩きです。
奥ノ大滝は落ち口付近が難しそうなので、水流右から登り中央をトラバースして左から巻きました。
奥ノ大滝の上には更に滝が3つあり、通常は巻きますが、面白そうなので直登しました。この3段の滝は岩に囲まれたプチ・ゴルジュ的な感じです。一つ目の滑滝はクラックもあるので足掛かりにしつつステミング等で登ります。終了点は大きな流木にタイオフ。
二つ目は完全なトイ状の滑滝でクラックやホールドはほとんどなく中間支点は取れません。ハーケンを打とうにもハンマーを振りかざしたら反動で滑りそうです。ステミングやバック&フットで確保なしで登ります。終了点はクラックにカムで確保できますが、水から這い上がる場所がないので水に浸かりながらビレイ。
三つ目は簡単なCS滝で、右の岩の穴を潜ります。終了点はフレークにカムとナッツをチョックにして確保しました。
ネジレの滝や奥ノ大滝以降を登るならプロテクションはハーケン、カム、ナッツがあるといいです。カムはキャメロット#0.3-1を使用。
沢靴のソールはフェルトでしたがナメは滑って登るのが大変でした。相方のラバーは滑らなかったそうです。この時期の苔はしっかりしてヌメリが少ないので登攀系はラバーがいいかもしれません。
三段の滝を登れば遡行終了。左岸を上り看板のあるコルに出て、海沢探勝路を降りました。
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